こだわりの栽培方法

ヒトが命をつなぐために最初に食糧としたのは木の実、フルーツだといわれます。
私たちの心と体を何万年ものあいだ養ってきたフルーツのエネルギーをそのまま体に取り込めるフルーツ、食べると幸せな気持ちになってしまうフルーツ。そんなものをお届けしたいし、わたしたちも食べたいと思い、日々仕事をしていく力にしています。
楽しむことを大事にしてます
父(養鶏をしてます)が熊本に呼ぶことがなければ、農業はしていなかったと思われる僕です。
がんばってイイもの作ろう、とか思ったことはありません。何も知らない、何も経験してないところからのスタートだったので失敗することには慣れていまして(笑)
人の意見をたくさん読んだり聴いたりしたあげくの結論は、自分が楽しいようにすればいいということでした。
そうすると、農薬をたくさん使うのは楽しくない。農家になるまで知らなかったことですが、果樹をつくるには、ものすごくたくさんの農薬を使うのが普通なんです。
農薬を使わないようにするにはどうすればいいかなと考えるようになりました。
それはガンバルというより、面白いことです。わからないことだらけ。本にも答えは書いてない。
うーんと年をとっても「農業のことはなんもわからん」と言っていそうです。
錦自然農園の農薬の使い方
2011年現在「柿」「ゆず」「いちじく」「びわ」を無農薬で生産しています。
「ぶどう」は植物由来の成長ホルモンを1回だけ使用する以外は、農薬不使用です。
「桃」は、慣行農法から8割減らした農薬を、「いちご」も9割以上減農薬で栽培しています。
ちなみに、たまごの生産に際して薬品は使いません。
餌はオーガニックなものを独自の配合でミックスし、与えています。
機嫌のよい果樹園をつくる
除草剤は一切使いません。
除草剤は便利ですが、ホームセンターで販売されているものでさえ発がん性が疑われる成分が含まれています。
作業効率をよくするためや、土が日光を受けやすくするために、草を踏んだり倒したり、刈ることもありますが、果樹園の草はその場に敷くことが原則です。
草のうえには、果樹園周囲の刈り草、わら、周囲の山から集めた落ち葉などを敷きます。目的のひとつは、微生物の繁殖をうながすことです。
草にもいろいろあり、果樹によい草があります。そうした草を適度にはやすことで、根が土に空気が通る微細な穴を無数に開けていきます。こうしてできる土は、空気を含むふっくらした土となり、植物の成長を助けてくれます。
写真は、春の桃園の状態ですが、除草剤を使わないせいか、みつばちや蝶、蜘蛛、バッタ、クワガタ、カブトムシなどたくさんの虫や、キジ、モグラ、ヘビ、タヌキなどの小動物がやってきます。モグラはかなり多いですが、農薬を使う畑には出ないそうです。家から離れた場所にある柿園では、イノシシがミミズを食べによくきます。柿に悪さをしない限りはおおめに見ています。鳥が落としてくれた種が芽吹いて植えた覚えのない、見たこともないおいしいフルーツが収穫できることもあるんです。
大量の微生物で土を豊かに
微生物のたくさん活動している土壌は団粒構造(土が小さな塊になっていてその塊が土を構成している)をしていて水はけ、水もちがよく、酸素も根に行き届くいわゆるふかふかの土壌になります。
微生物がたくさんいるふかふかの土を作るために、錦自然農園ではスピードスプレイヤー(SS)という果樹栽培に必需品といわれる機械の使用を最小にとどめています。農薬をまくときだけ、健康のために使います。SSは超重量級なので、果樹園の土を踏み固めて、せっかくのふわふわ土を固く締めてしまうのです。
赤くてスーパーカーみたいなこの機械を使えば、1時間ですむ作業が使わないで行うと3,4時間かかります。非効率で、効果の見えにくいこだわりです。しかし「奇跡のりんご」の木村秋則さんの著書に書いてあった、土の中の温度を10センチごとに計測して土壌の豊かさの指標とする、という話を試してみると、本のとおりの理想的温度になってました。いつか、やっててよかったというときがくるのかなあ・・・。
正直いって善玉菌が土中に増える、ということ以外理屈も理論も知らないのですが、EMをあげるだけでなんでもおいしくなる、と我が家の菜園担当の母も言います。
EMはぬかや糖蜜、果実酢などを混ぜて発酵させたぼかしとして、または特製の活性液にして使います。
写真はEMぼかしを作っているところです(当農園ストアでお買い求めいただけます)
岩塩やにがりもよく使っています。
ヒマラヤ産のピンクの岩塩とインドネシアの海から採れたにがりは、畑に散布するほか、さまざまな方法で使います。これらは、土に豊富なミネラルをもたらします。ミネラルが豊富な土は、微生物が活性しているので結果的に果実の味をよくしてくれます。
秋から冬にかけてやっているのは、木炭をつくることです。 果樹の剪定枝は刈り取ったはしから炭にしていきます。炭や灰は畑に埋めたり、まいたりして、土壌のミネラル源とします。埋炭は、果樹園全体の気をよくするとともに、果樹の勢いをよくする効果があります。 球磨郡にはいい炭やさんがあるので、購入もします。
害虫や病気から果樹を守るために行なっていること
ひとつは天敵を増やすこと。フルーツに害を与える虫の天敵を引き寄せる植物を増やすことで、害虫にとっての天敵が果樹園内に多く飛来するようにします。外部から天敵の虫をもってくることもします。天敵が果樹の害虫を退治してくれるので間接的に害虫を減らすことができます。たとえばいちご畑では、うねの間に籾殻を敷き詰め(上の写真)、天敵が住みやすいようにしています。年によってワラを置くこともあります

果樹を病害虫から守るために積極的に行なっているのは、柿酢、桃酢、植物酵素、唐辛子と竹酢のエキス・・・こうしたものを常に手づくりし、希釈して果樹やいちごに散布したり、潅水(水やり)したりすることです。
写真は柿酢を仕込んでいるところです。柿酢や植物酵素は体にも顕著な効果を持つものですが、果樹にもよいので、ウチでは人間用と果樹用に区別をしていません(桃酢は植物用のみ)。そのほか、スギナ、スギ、ヒノキなどの野草や葉を水に漬け込んで発酵させたり、煮出したりして植物にかけることもあります。こうしたことは、果樹の様子を見ながら必要なときに適宜行います。






